便潜血検査は便の中に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べる検査方法で、大腸がんを早期に発見するため重要な役割を担っています。大腸がんや大腸ポリープからは少量の出血を起こすことがあり、その出血を見つけることで病気の可能性を調べています。現在、日本では大腸がんは非常に多いがんの一つであり、2023年には約15万人以上が新たに大腸がんと診断されています。また、2024年には約5万4千人が大腸がんで亡くなっています。女性ではがん死亡原因の第1位、男性でも上位を占めています。
<便潜血陽性での大腸がんの確率>
便潜血検査で陽性となる方は全体の約5〜10%程度です。さらに、陽性となった方のうち約3%前後で大腸がんが発見されると報告されています。 数字だけを見ると、「97%はがんではないなら大丈夫では?」と思われるかもしれません。
しかし、見方を変えると、『便潜血陽性者の中には一定数の大腸がん患者さんが含まれている』ということになります。
<便潜血陽性になったら大腸内視鏡検査を受けて下さい>
さらに、大腸がんになる前段階である大腸ポリープが見つかる方も少なくありません。便潜血陽性者では20〜40%程度に治療対象となるポリープが見つかるとされています。 大腸がんは早期に発見できれば高い確率で治癒が期待できます。一方で、進行してから見つかると手術だけでなく抗がん剤治療が必要になる場合もあり、命に関わる病気になります。そのため、便潜血陽性と言われた場合に最も重要なのは、「もう一度便潜血検査をすること」ではなく、「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けること」です。
痔がある方でも大腸がんを否定することはできません。症状がなくても大腸がんが見つかることは珍しくありません。このような事から当院では患者様に便潜血の検査を毎回お勧めしております。そして、便潜血陽性は『がんです』という意味ではありません。しかし、『大腸を詳しく調べる必要があります』という体からのサインと解釈頂ければと思います。